ネイチャーポジティブ×調達

2026-07-21

ネイチャーポジティブ×調達 図版1

環境省が先週、熊本で開かれたグローバル・ネイチャーポジティブ・サミットに合わせて、「調達におけるネイチャーポジティブに向けた実践ガイドライン」を公表しました。

任意に活用されるガイドラインですが、出発点は明確です。

自然資本の損失は、調達価格の上昇や調達の困難化として企業経営に跳ね返る。自然への配慮を、善意や開示対応にとどめず、サプライチェーンのリスク管理と意思決定に組み込む必要がある、という考え方です。

実践は、調達方針と目標・KPIの設定、サプライチェーン上のリスク評価、負の影響の停止・防止・軽減、実施状況の追跡、情報開示までの流れで整理されています。

あわせて企業事例集も公表されました。

トヨタ自動車は、原材料まで遡った生物多様性への配慮や、拠点での自然の保全・回復に向けた取り組みをサプライヤーに要請しています。

明治HDは、アグロフォレストリー農法を支援するチョコレート製品を開発・販売し、その取り組みを消費者への発信につなげています。

食品はもちろん、自動車のように一見自然から遠く見える事業でも、原材料や拠点をたどれば、生態系との接点があります。

私が注目したのは、単に「自然に配慮できる取引先を選ぶ」だけではない点です。

改善の余地があるサプライヤーを排除するのではなく、対話や能力形成を通じて、段階的な改善を図る考え方も示されています。

自然の情報を、どこから調達するかだけでなく、取引先とどう改善していくかという判断につなぐ。「整える・つなぐ・活かす」で捉えれば、これはまさに「つなぎ」そして「活かす」の実装です。
調達が、自然への配慮をサプライチェーン全体へ広げる起点になり始めていると感じます。

【参照URL】
🔗 「調達におけるネイチャーポジティブに向けた実践ガイドライン」の策定について(環境省・2026年7月14日)
https://www.env.go.jp/press/press_05290.html
🔗 ネイチャーポジティブ経済移行戦略(環境省)
https://www.env.go.jp/page_01353.html

図版の文字情報

- タイトル: 「自然の情報が、調達を変える」
- サブ: 「選ぶだけでなく、取引先と改善していく調達へ」
- ラベル: 「環境省ガイドライン公表」
- 図解: ネイチャーポジティブ調達の実践サイクル(リスク評価・優先順位づけ/取引先との協働・改善/サプライチェーンの把握/追跡・情報開示 ほか)