オレゴンEPR×料率設定

アメリカ・オレゴン州の包装材EPR(拡大生産者責任=包装材の回収・リサイクルの費用を生産者側に負わせる制度)の、現行のプログラム計画について調べました。州が承認したもので、今年5月4日に改定されています。生産者は材料の区分ごとに料率を払う仕組みで、区分は60。8つの材料クラスに束ねる形が示されています。
運営するのは、生産者の代表で構成される生産者責任機構(PRO)です。オレゴンでは Circular Action Alliance が唯一のPROになっています。
計画書のなかで、2つの節が並んでいるのが引っかかりました。
ひとつは、料率設定の指導原則です。7つ挙げられていて、その7番目が「Clarity(明確さ)」。料率を決めるにあたって用いる原則・方法論・アプローチを、生産者に明確に伝わるかたちで用意し、協議を行う、と書かれています。
もうひとつは、その少しあとの「Confidentiality(秘密保持)」の節です。州の行政規則 OAR 340-090-0710(2) により、PROの料率算定の方法論は専有かつ秘密の情報として扱われる。詳細な方法論は、計画書の秘密の附属書として提出される、と。
隠しているというより、制度がそう設計されている、と読みました。同じ計画書のなかで、60区分ぶんの料率の見積もりは公表されています。ただしそれは、生産者からの供給量報告の水準に応じた低・高2つのシナリオによる推計で、表にも「最終版ではない」と明記されている。最終的な実額の料率表は、供給量の報告が出そろったあとに、この計画書の外で公表される、と書かれています。
公開されるのは、算定の原則と、幅つきの見積もり。公開されないのは、原則から料率へ至る計算のほうです。
事業者が容器や梱包の設計を見直すとき、この料率の差は効いてくるはずです。差の理由まで開かれていれば、事業者が自ら検討できる余地は広がる。開かれていなければ、判断の拠り所は出てきた数字に寄りやすい。同じ「生産者が費用を負う」制度でも、ここの設計しだいで、生産者側が動ける範囲は変わってくるように思います。
制度が価格をつくるなら、価格のつくり方をどこまで開くかは、制度の実効性そのものの設計変数なのだと思います。日本でも、再生材の需給や容器包装の設計を制度で動かす議論が続いています。「いくらか」だけでなく「どう決めたか」がどこまで見えるか。そこを見ていきたいと思っています。
🔗 オレゴン州DEQ「Modernizing Oregon's Recycling System」(制度と承認文書の一覧): https://www.oregon.gov/deq/recycling/Pages/Modernizing-Oregons-Recycling-System.aspx
🔗 承認済みプログラム計画(2025-27・2026年5月4日改定版・PDF): https://www.oregon.gov/deq/recycling/Documents/CAAamendOPPa2.pdf