NbS・グリーンインフラ×水資源

2026-08-26

NbS・グリーンインフラ×水資源 図版1
NbS・グリーンインフラ×水資源 図版2
NbS・グリーンインフラ×水資源 図版3

自然を使った解決策で本当に要るのは、最適な組み合わせを探すことではなく、目的がぶつかったときに何を優先したかを説明できる形をつくることだと思います。

英国の環境庁が8月17日に出した「自然を活用した水資源の解決策ハンドブック」を読んで、そう考えました。

このハンドブックが掲げる狙いは3つです。

・地下水を増やす
・河川の低水流量を改善する
・干ばつへの耐性を高める

第3章に「他の目的との衝突」という節があります。地下水の涵養だけを唯一の目的にするなら、こういう組み合わせが採られうる、として3つ並んでいました。

・土地の被覆は、蒸発散の損失が最も少ないものを選ぶ。多くの地域でそれは、森林被覆を抑え、森林の生息地を失い、晩夏に畑を裸のままにすることを意味する。水質は悪くなる
・流出を抑える施設は、浸透が最大になるよう設計する。すると通常の降雨で満杯になり、洪水を和らげる働きが落ちる
・下流の低水流量を減らしてしまう湿地や河川の再生は、推奨されなくなる

推進する側の公式文書が、自分たちの手段を1点に最適化したときの副作用を、ここまで具体的に並べています。

そしてハンドブックは、水資源だけに焦点を絞ると、より健全で回復力のある河川システムのほうは実現できないかもしれない、とも書いています。

自然は場所に紐づいています。だから何を優先して何を劣後させるかは、その土地に住む人、関わる人との対話でしか決まらないのだと思います。この地域をどういう場所にしていきたいのか。そこから逆算するしかない。

ただ、対話が空中戦になると、声の大きさで決まってしまうかもしれない。すべては数値化できないけれど、できる部分は定量的な指標で比べられるようにしておく。それが合意形成を下支えするのではないか。

そんなことを環境情報化のコンセプトでは考えています。

🔗 Nature-based Solutions Water Resources Handbook(英国環境庁・2026年8月17日)
https://www.gov.uk/government/publications/nature-based-solutions-for-water-resources-handbook

🔗 自然を活用した解決策(NbS)の手引き(環境省・2026年)
https://www.env.go.jp/nature/nbs.html