AIインフラ×水/環境情報化

2026-08-27

AIインフラ×水/環境情報化 図版1
AIインフラ×水/環境情報化 図版2

データセンターが使う水の実態は、なぜつかみにくいのか。米議会調査局の報告書を読むと、測る技術ではなく、水の調達の経路に理由があるように見えます。

まず、数字が2つ並びます。

・データセンターが直接使う水は、全米の水消費のおよそ2%(米国水道協会の推計)
・100メガワット級の1施設は、1日あたり約2,600世帯分の水を直接消費する(国際エネルギー機関の見積もり)

全体では小さく、足元では大きい。この2つは矛盾しません。ある研究の推計では、米国のデータセンターの直接使用量は2023年に約170億ガロン。2014年の56億ガロンから、9年で3倍ほどになっています。

米議会調査局が7月31日に出した報告書「Data Centers and Water」に、こうあります。

・米国のデータセンターは、必要な水の約97%を公共水道から得ている(2025年時点・ある分析の推計)
・公共水道に頼る施設の水量は、同じ供給区域の他の利用者と合算されるのが通例で、個別の施設の影響を識別し定量化することは難しい場合がある

では自分で取水すれば見えるのかというと、そうでもありません。同じ報告書は、自己取水の施設は水道事業者より報告の義務が少ないことが多い、とも書いています。

買えば他の利用者と合算され、自分で取れば報告が薄い。見えにくさは、測る技術の問題というより、どちらの経路にも別々の理由で穴がある、という話に見えます。

同じ報告書は、連邦政府がこれまでデータセンターの水使用について体系的な評価を行っていない、とも明記しています。動いているのは州のほうで、テキサス州議会は公益事業委員会にデータセンター等のエネルギー・水使用の調査を指示し、2026年末までの報告を求めています。

指標にも似た話があります。データセンターの水効率を表す指標(WUE)は、施設で直接使う水だけを数え、その電力をつくるために発電所で使われた水は入りません。何を分母に置くかで、絵が変わります。

日本でも、データセンターの立地は国家戦略の一部になりました。電力の議論は精緻になってきた一方で、水は「足りるか足りないか」の手前、誰がどの単位で記録するかが、まだ決まりきっていないように感じています。

日本ではどこが、どんな単位で把握しているのか。ご存じの方がいたら、ぜひ教えてください。

🔗 米議会調査局の報告書(2026年7月31日)
https://www.congress.gov/crs-product/R49057

🔗 国際エネルギー機関「Energy and AI」(2,600世帯分の推計はこちら)
https://www.iea.org/reports/energy-and-ai