環境表示×情報の非対称

2026-08-28

環境表示×情報の非対称 図版1
環境表示×情報の非対称 図版2

「再生プラスチック使用」とだけ書かれたラベルを見せると、3人に1人が「100%だと思う」と答えました。

消費者庁が8月20日、「環境ラベルに関する実態調査報告書」を公表しました。景品表示法の観点から環境ラベルの表示の実態を調べ、同法上の考え方を整理したものです。この整理は、公正取引委員会が2001年に同種の調査を出して以来、25年ぶりになります。

広告表示から環境ラベル139種類を集め、事業者・事業者団体15者と第三者認証ラベルの運営主体3機関にヒアリングし、あわせて一般消費者1,000名にアンケートを取っています。

まず、書く側の数字です。

・原材料の環境配慮を訴求する62種類のうち、使用割合を具体的な数値で示していたのは33種類(5割強)
・石油由来プラスチック等の削減を訴求する25種類のうち、削減率を数値で示していたのは10種類(4割)

次に、読む側です。

・「再生プラスチック使用」のサンプルでは、「100%だと思う」が33.6%。「50%程度以上だと思う」を合わせると73.0%
・削減率のサンプルでは、「100%だと思う」が50.6%。「50%程度以上」で80.1%

書かなかった余白は、読み手の側で埋まる。しかも、低いほうにではなく高いほうに。

では実際は何%なのか。この報告書に、その答えはありません。表示の実態を調べた調査であって、含有率や削減率を実測したものではないからです。

ただ、近いものはありました。139種類のうち121種類(9割弱)は、そのラベルを表示できる条件、つまり適合基準を公表していて、ウェブサイト等で確認できます。報告書が挙げている例は、こうです。

・商品本体にバイオマス素材を50%以上使用していること
・プラスチック使用量を自社基準製品比10%以上削減したこと
・商品使用時に自社従来製品比10%以上の省電力であること

100%だと思っている人が3人に1人いる一方で、公表されている基準の例は「50%以上」や「10%以上」でした。この距離が、この報告書でいちばん気になったところです。

そして、その基準を決めているのは誰かというと、121種類のうち76種類が事業者自身でした(第三者機関は35種類、事業者団体等が10種類)。

環境の情報は、出すか出さないかの二択ではないのだと思います。ラベルに何を載せ、どこから先をウェブに預けるか。その置き場所の設計です。表示スペースは有限で、全部を書けば読まれるというものでもない。ただ、置き場所を分けた結果として、読み手のなかで数字が最大値に寄っているのだとしたら、それは設計が効いていないということかもしれません。

自社の環境訴求は、いま何%だと読まれているでしょうか。

🔗 消費者庁「環境ラベルに関する実態調査報告書」の公表について(2026年8月20日)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/survey/

🔗 報告書本体(全30頁・PDF)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/survey/assets/representation_cms216_260820_02.pdf